知能検査を受けた子や保護者をなめないでいただきたい

特別支援教育士という資格取得を目指して勉強中です!

この資格、WISC等の心理の検査がとれる資格です。

その勉強中に検査結果、全部伝えてもらってないよね⁉と気づいたんです。

 

検査結果を伝えてもらうとき、こんな感じじゃないですか?

私も発達障害(ADHDの診断で服薬しています)、うちの息子も発達障害です。

うちの息子の知能検査(WISC)の検査結果はこんな感じで伝えてもらいました。

 

※これから出てくる数字は説明用の架空の数字で

実際のうちの息子の結果ではありません。

 

知能検査の全検査IQの人数分布

上の図を見せてもらいながら、

心理士さんからこんな説明をうけました。

 

「今回受けた知能検査はWISCという検査です。

この検査は中央値が100になるように設計されている検査です。

お子さんは知能の遅れはありませんでした。」

 

次はこんな表とグラフ。

WISC項目別結果の表

WISC項目別グラフ

「この検査はいくつかの課題に取り組んでもらって

その項目ごとに〇〇くんの特徴を調べる検査です。

今回はこんな結果になりました。

少し得意不得意の差が大きいですね。」

 

そのあと、それぞれの項目の説明があり、検査結果の話はこれで終わりでした。

 

この後は、

「自閉症スペクトラムのお子さんは耳からの情報より

目からの情報を取るのが得意です。」とか

一般的な自閉症スペクトラムの特徴を教えてもらいました。

 

子ども本人にも知る権利ってあるよね

心理の検査の性質上、どんな問題を解いたとかは

開示してはいけないことになっています。

検査の内容がわかってしまって対策してしまったら、

正しく知能が測れなくなるからという理由です。

 

また、当事者、保護者は心理の専門家ではないから、

・数字がひとり歩きしてしまうような表現をさける

・推察レベルのことは伝えない

(明らかなことだけ伝える)

・わかりやすく伝える

 

と、特別支援教育士の講義の中でも繰り返し注意がありました。

 

でも、親なら検査結果からわかることはすべて知りたいじゃないですか。

 

当事者ならなおさらです。

子ども本人は結構大変な検査を受けたんだから、

知る権利はありますよね。

 

しかも、日々なんだか生活しづらい、集団生活辛いんだけど

うまく言葉にできない現状がある。

分かることは全部教えてくれ!と思いますよね。

 

じゃあ、先ほど開示された検査結果から、これくらいはやっていいんじゃない?と

私が感じたことです。

 

例えば各項目間の差です。

WISC項目間の差

出現率というのは「どれくらい少数派か」の指標です。

出現率が小さいほど珍しい人、少数派の特徴、ということです。

 

例えばこの子だと

・言語理解‐処理速度の差が大きい

字を書くのに負担感があるかも? 板書とるのがつらいかも?

 

とわかります。

 

本人の「これ困ってるんだよね」の訴えがないのは

授業の時は困っているけど、

「困ってることないかな?」

と聞かれたときに、思いつかなくて

「ないよー!」と言っているせいかもしれません。

 

大人だって「言われればこれ困ってたわ」みたいなの、あるじゃないですか。

 

さらに!もっと!わかるんですよ

WISCの検査結果を分析すると、もっとわかります。

例えば、ワーキングメモリ。短期記憶のことですね。

 

耳から聞く短期記憶をはかる検査も何通りかしてるんです。

 

単純に聞いた言葉を覚えておいて言う、

聞いた言葉を一つ操作する(例えば順番を並べ替えるとか)

聞いた言葉を二つ操作する

(例えば順番を並べ替えるルールが2つあるとか)

 

聴覚短期記憶の検査のイメージ、操作なし

聴覚短期記憶の検査のイメージ、操作あり

初めの聞く部分から苦手な子は、

クラスで前の席にしてもらうとか、聴覚補助システムを入れてもらうとか

そういう配慮を受けたいですよね。

 

一方で、

短期記憶だけに集中して取り組める時はいい結果。

でも、別の操作をしながらだと短期記憶ができない。

 

そういうお子さんは学校の授業で

先生の説明を書く時間、板書をノートにとる時間、

と先生の声かけと授業進行で理解が進むことがあります。

 

こういうこともわかるんです。

なのに、検査結果の報告を受けるときは

「ワーキングメモリ」の項目の数字だけになってしまいます。

 

せっかく検査を受けたのに、こういう検査からわかることが

埋もれてしまうのは残念ですよね。

 

「心理の専門家じゃないから、検査結果は簡単に」なのかもしれませんが、

あまりにも雑じゃないですか?

 

私、特別支援教育士の勉強して「知能検査ってこんなに情報とれるの!?」って知って

怒りすら覚えました。

 

怒りの矛先は、今まで心理の検査を説明してくれた心理士さんと医師。

当事者と保護者をなめないでいただきたいです。

 

当事者も保護者も、困っているから、めちゃめちゃ調べるんですよ。

 

発達障害当事者も、発達障害の子を育てる親も、知識の差はあると思います。

でも、その差をみつつ、もっと検査結果の内容を教えてほしかったなー。

 

だって、がんとか病気系だったらもっと詳しい説明じゃないですか。

セカンドオピニオンもメジャーだし。

 

保護者→先生への伝言ゲームで情報を落とさないために

あと、これは、特別支援教育士の講義で言われたことなんですが、

「検査結果をなるべく書面で説明すること。

保護者が当事者である子どもに伝える、

もしくは保護者が学校の先生に伝えて支援をお願いするケースが大半。

保護者が伝えるときに情報に抜け・もれがないように書面にすること」

 

これには大賛成です。

ほんと、その通り!と思います。

 

で、教室運営している立場から言うと、

具体な支援、指導方法を直接考えられる立場で知能検査がとれるって

めちゃめちゃ強いじゃん!と思いました。

 

その子の普段の様子もわかる、適切な指導法も知能検査から計画を立てられる、

指導法の効果測定も続けてできる。ワンストップサービス。最強ですね。

 

最強になれるように頑張ります。